世界精神保健連盟が、1992年より、メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として、10月10日を「世界メンタルヘルスデー」と制定。
その後、世界保健機関(WHO)も協賛し、正式な国際デー(国際記念日)とされて、世界精神保健連盟より、2024年世界メンタルヘルスデーのテーマは、「今こそ職場でメンタルヘルスを優先しよう」だそうです。
企業の中に入り、メンタルヘルスの直接支援・間接支援をしている立場として、
今回のテーマはとても重要!
「今こそ」なんです。
コロナの世界的な流行で、人々の身体的な健康だけでなく、心理的な健康までも脅かした経験は、こころの病気が「特別な人だけのもの」ではなく、「誰でもなりうるもの」という実感と誰もが持てた出来事。
そして、それを誰もが理解をする出来事だったと思っています。
こころの健康を害する人は、職場のほんの数パーセントの存在と思われがちですが、調子が悪い方、その予備軍を含めれば、その「特別なエリア」(休職者)まで入らずとも、何かの拍子でいつそこに加わってもおかしくない状態に陥ることは、誰しもあることなのです。
ただ、
仲間がいたから。
家族がいたから。
上司が良かったから。
避難先があったから。
その苦しみに終わりがあったから。
そんな、ほんのわずかな差で、
病気に至らずに済んでいることに、案外、人は気づきません。
だから、決してこころの病気は特別な病気、と思わないでください。
むしろ、今までそういう状況に陥らなかったことに、
ご自身の運の良さに、感謝です。
もし、職場に休職者や復職者、こころの不調を抱える方がおられたら、
どうか「大丈夫?」と声をかけてあげてください。
その声かけ自体が、その方の希望と力になります。
組織に入って、カウンセリングしていても、
結局、悩める方々のこころを癒すのは、やはり同じ職場の同僚の言動です。
カウンセラーの私ではありません。
人によって傷ついた方は、人によってしか癒されない。
人の中でしか、回復しない。
私は、いつもそう感じています。
今こそ、職場でメンタルヘルスを優先しよう!
「優先」はただ関心を寄せるだけではなく、
「優しさを先に」差し出すことだと思っています。
職場で、ご自分の半径5メートル圏内の人に対し、
何か様子がおかしいなと思ったら、
どうか、ためらわずに声をかけてください。
どうぞ、こころのつながり優先で。