一度緩んでいた寒さが、今日はぐっと厳しくなり、今朝は吹雪いて目の前が真っ白に。少し寒さが緩んできて、ダウンを着る日が減っていたところに急に寒さがぶり返し、寒さが余計身に染みた一日でした。
節分が過ぎると春が近づいているはずなんですが、いやいやまだ冬ですよ、忘れないでねと念押しされている気分に。
三寒四温と言って、温かい日と寒い日が交互にやってくる中で、道端の草木や日差しの中に春の到来が感じられる、私にとってはとても好きな時期です。
しかしこの草木が芽吹くこの季節は、精神科の外来患者さんや、リワーク(復職支援施設)に通うメンバーにとって、不調に陥りやすい厳しい季節でもあります。
というのも、この三寒四温の気温や天候(気圧)の急な変化が、自律神経を乱し、即体調・気分不良に直結するためです。
うつ病の方や休職経験のある方の中には、もともと自律神経が乱れやすい体質をお持ちの方をよくお見受けします。しかし一方で、「以前はこんなことなかったのに、休職してから体調が天候に左右されるようになった」という方も多くいらっしゃいます。
うつ病などの精神的な疾患にかかられたことで、自律神経の乱れ(倦怠感・頭痛・めまいなど)が天気や気温の変化によって引き出されやすくなります。しかしこの波、なかなか健康な方からは共感されにくく、自己嫌悪に陥るメンバーさんをリワークでよくお見受けしてきました。
リワークに来たばかりの時は、天気に体調が左右されているというスタッフの声かけに、「そんなわけがあるはずない!」と中にはお怒りになる方もおられます。が、リワークに通い続ける中でその傾向を実感され、うまく付き合う方法、つまりセルフケアを研究し始めます。
実はそれ、休職中にやるべき大事な作業。
自分ではコントロールできない天気や気温の変化に、自分の体調が左右される理不尽さ。
新年度の復職に向けて必死に努力している中、この大事な時期に体調が乱れ、自信を失う方。
職場面談で体調の不安定さを指摘され、まだ復職は早いのでは?と言われて傷つく方。
こんな方々を多く見てきました。
このデリケートな自律神経の持ち主にとっては、本当にやっかいな、そして厳しい季節なのです。ですが、その波に付き合って、働いていかなければなりません。
今、休職中の方・精神的な不調がある方。
ぜひ毎日の気分・体調の記録をおすすめします。特に表や折れ線グラフなどで記録し、その波を視覚化して、主治医や必要な方に見せてください。目には見えない症状の波を共有して頂きやすくなります。
今、休職中の方をサポートしておられる人事担当者。
休職中の方に、こうした観察課題を与えることで、休職されているその方が、自分の不調を観察する目と気づきを与えるきっかけになるかもしれませんし、またご自身の相手への理解が深まるかもしれません。
体調の波は、なくすものではありません。
なくなるものでもありません。
精神的な不調を抱えていない方々ですらあるはずなのです。
ただ、健康な時は気にならないだけ。
見る必要がないから、波が小さいから、気づいていないだけです。
誰にとっても、本来その波は「乗りこなす」「付き合う」ものです。
波がいつどのようにして大きくなるか。
その不調時に、少しでも楽になれるセルフケアは何か。
大事なのは「観察」と「試行錯誤」です。
自分に合うセルフケアの見つけ方のコツですが。それは、元気な時に「心地よいこと」「楽しいこと」「笑えること」をたくさん集めてリストアップする、メニュー表を作っておくことです。
しんどい時は、見て試すので精一杯ですから。
メニューがあれば、試せます。
重要性はわかるけど、でも‥‥なかなか面倒ですよね(笑)。
そんな時こそ、ちょっとエネルギーがある時に、リワークやカウンセリングで、誰かと一緒に観察・研究を手伝ってもらってください。
今すぐ、自分一人でも取り組んでみられたい方。
イラストが多く短文で読みやすい、下記の本がお勧めです。
たくさんの方法が書かれています。毎日くじ引きのように、えいっと開けたページのアイデアを試してみるという使い方もできます。
特にご病気でなくても、昨今のコロナ禍のストレスケアに、ちょっと元気がない時に、どなたでも使えるおすすめの本です。
オリジナルなセルフケアメニュー、作ってみませんか?