起業家に向けたメンタルヘルス支援

昨日12月1日(日)に、守山商工会議所主催の創業セミナー
に登壇させて頂きました。

主に企業向けのメンタルヘルス支援をしてきた私にとって、
新しいチャレンジのはじまりの日でもありました。

この企画のはじまりは、株式会社いとの山崎さんが、
Facebookで共有してくれたある記事がきっかけ。女性
起業家がセクハラで精神的ダメージを負い、起業をあき
らめたというニュースでした。

女性起業家のみならず、男性起業家であっても、組織に
属して働いていないことで得られる喜びややりがいも
あります。が、一方で、売り上げがそのまま自己評価に
つながりやすく、やりがいがあるゆえに、ワークライフ
バランスを崩しやすいなどのしんどさもあると感じて
います。

ひょっこりと、時々そういう相談が舞い込むからです。



まだまだひよこですが、私も起業してみて、企業で働
く方々と同じく、起業家にもメンタルヘルスケアが大
事だと感じるようになりました。

病気未満、悩み以上の苦しいこころの波。
自分の存在価値を見失ったり、
自分で決めることの喜びと怖さと。

私自身も揺れまくり、眠れぬ夜もあります(笑)。

企業であれば、相談窓口があったり、研修で知識を得たり、
ストレスチェック調査でセルフチェック・ケアの機会があ
ります。

しかし、起業した個人には、そうしたセーフティーネ
ットが少ない気がします。

商工会議所のこうしたセミナーでも、いわゆるビジネスの
知識の教授や鼓舞する場はあっても、お互いに不安や胸の
内を語る時間、それをケアする方法などの学びの機会は少
ない。

起業家において自己選択・自己決定は基本だからかな、
とも思います。

そういう意味では、守山の商工会議所の方が、こうした
企画を受け入れてくださったことに、とても感謝してい
ます。

商工会のスタッフの方も、セッションの最後に「悩んだら
相談しに来てね」とアナウンスしておられました。

まさに起業家にとって、商工会議所は貴重な相談窓口!

今更ですが、守山商工会議所のみなさま、貴重な機会をあ
りがとうございました!

起業=メンタルダウンというイメージを植え付けたい
訳ではありません。ただ、ビジネスが精神的健康度と
直結しやすいからこそ、自分らしく走り続けるために
も、自己理解とストレスマネジメント意識をもっても
らいたい。

ひいては、精神的疾患の予防につながれば、と思うのです。

最近の芸能人の過労やメンタル不調も、その裏に、ご本人や
周囲の人にストレスマネジメントの知識やケアの場がないた
めじゃないかと勝手に想像しています。

目立ってなんぼ
忙しさ=人気

芸能人だってただの「労働者」なのに、メンタルヘルスを守
ってもらえる環境にないのだろうなと、母親のようなまなざ
しで心配してしまいます(完全におせっかい)。

芸能人ではなくても、起業家も自分自身がビジネスを展開してい
くうえでのツールであり、自分が走れなくなると、すなわちお金が
入らなくなる厳しさがあります。

起業家は、とても自由に見えて、とても孤独だなと
自分が起業してみて感じました。

だから、人とのつながりを意識的に感じたくなるのかもと。


SNSでは自分を楽しさや喜びは表現できても、その内心の不安を
外に出すことは避けがちです。

どちらがしんどいか?と比べるものではないですが、
組織で働いても、個人で働いても、
質の違う「大変さ」があります。

が、決定的に違うのは、
メンタルヘルスの支援を受けられる
そうした情報に触れる
そういう機会には、歴然とした差があると感じています。

ただの、心理師のおせっかいだと分かっています。


でも、起業家に向けて、メンタルヘルスリテラシー
と、自分の心を健康に保つための自己理解と知識を
これからもお届けしたいと思っています。

この記事を書いた人