オンラインで話を聴く・受け止めることについて

8月末より、京都精華女子大学が実施する「リモートワーク時代に活躍する高度なファシリテーション能力を備えた人材育成プログラム」(文部科学省による就職・転職支援のための大学リカレント教育推進事業)という、とても長ーいタイトル講座を受講し始めました。

この講座は、京都精華大学が企画・運営のもと、グラフィックファシリテーション協会の山田夏子さん(代表理事)が講師となって、15人クラスで半年間、週1回3時間のオンライン講義を受けます。

しかもラスト2日間は、博報堂のプロジェクトリーダーによる学習効果の発表・検証・実践ワークショップが行われるという豪華な内容。

しかも、無料…恐ろしい贅沢さ!

受講にあたり、受講希望のレポートや最終学歴の卒業証明書提出など、さすが文部科学省が関わっているだけあって、なかなか本格的な手続き内容。

仕事柄、研修やワークショップのご依頼を頂く中、特に昨今のコロナ禍では
対面からオンラインでの研修にうつりつつあり、どうもやりにくさを感じていました。

オンラインで話を聴く・受け止めることについて、今感じている限界をなんとか広げていけないか?

オンラインであっても、その場にいるかのようなライブ感、自分ゴトととして参加、発言しやすい安心・安全な空間にするには、どうしたらいいだろうか?

ここには、対面の研修・カウンセリングにはない、何かを取り入れていく必要があるなと感じていましたが、それが何なのかはつかめずにいました。

ファシリテーションなどの本も読んでいましたが、話の効果的な進め方だけでなく、画面を通して、より活き活きとした対話を生む・深める方法はないかと。

そんな時に、こちらにピン!ときました。

偶然、締め切り3日前にチラシを手に取り、翌日コンビニで卒業証明書を受け取り(便利な世の中!)、ダメ元で応募してみたところ、受講できることに。

本当にグッドタイミング!

グラフィックレコーディングというのが流行って、そちらは知っていたのですが、こちらはグラフィックファシリテーション(以後グラファシ)。

グラフィックレコーディングは「記録」が成果物ですが、こちらは「対話」が成果物。対話の深まりを助けるツールらしいのです。

「描く」というアクションを画面上で見せることで、話を聴いている・受け止めているという臨場感を語り手にはっきりと見せる・感じてもらえること。そこに描かれるものによって、聴き手が話し手の「伝えたこと」を「どう受け取ったか」が分かり、結果として「双方向のやりとり(対話)」を深める(明確にする)ことにもつながるそうです。

オンライン、画面越しの対話は、すでに既知の者同士の時はさほど困りませんが、あまりお互いのことを良く知らない、また複数人での話し合いは、どうしても緊張感や言葉の受け止め方の齟齬、話し手との距離感ができてしまいます。

それと、すでに2回ほど受講し、実際にやってみている中での気づきとして、対話を見える化することによる気づき、またそれが言葉ではなく「絵」で表現されることの柔らかさ(受け止めやすさ)も感じています。

そういう体験から、このグラファシは研修だけでなく、オンラインでのカウンセリングにも使えそうな気がしています。

そして何より、このグラファシ自体のスキル以上に、オンラインでの対話の深め方のスキルとセンスが学べる!とワクワクしております。

が、しかし。

圧倒的に、左脳優勢の私にとって、右脳を使うこのグラファシはまさに苦行…(笑)。全然、描けない動けない。

絵がうまい・下手だけの問題じゃないようなんです。
仕事上の「話の聴き方・捉え方」のクセが、すごく邪魔するんです。

「考えないで、感じて!」
となっちゃん(講義中の先生のニックネーム)に言われ、フリーズすること多々あり…。

「私、センスないみたい」と落ち込んで愚痴った友人より、
「興味があるってことは、センスがあるってことよ!」と励まされ。


きっと産毛程度でしょうが、右脳モードな神経細胞をなんとか奮い立たせて、感性を育成中です。

今は慣れない頭の使い方をして、気持ち悪さ(居心地の悪さ)が中心ですがいつか、今とはまた違った景色が見えるのかなと、「楽しみ」にしてみることにしました。

研修は、職場から求められて、忙しい時間の中、仕事の手を止めて受けに来てくださることがほとんどです。そんな中、少しでも「受けて良かった」「楽しかった」と言って頂ける研修・ワークショップにしたいなと。

自分ゴトとして聴いて・参加して頂ける場(研修)を持つことによって、1人でも多くの方がメンタルヘルスやストレスケアに興味を持って頂けるように。

オンラインでも、もちろん対面であっても、今以上に学びとエンターテイメント性の高い研修・ワークショップが開催できる技を磨きたいと思います。

この記事を書いた人